02 ステンドグラスにおけるデザインと技術のバランスについて


ステンドグラスは技術から入る人がほとんどだ。技術習得と同時に工房を構える人も少なくない。「ステンドグラスやってます」なんて言うと、決まって教会の・・・とか、傘のランプ(ティファニー風)の・・・って言われる。ここ何十年変わることのない社会一般のステンドグラスへのイメージは、そんなことと大いに関係があるんじゃないだろうか。
キレイに作る、とても大事なことだと思う。だけどプロとしてやっていく以上それは当たりまえ。要は何を作るか、デザインをどう描くかだと思う。それには歴史の浅い日本のステンドグラスの型から抜け出して、さらにはステンドグラスという枠からも飛び出して、もっと外に目を向けなければならない。僕の感じる限りではドイツやフランスのステンドグラスと比べて、日本のそれは40年近く遅れている。
技術がではない、デザインがである。
知っての通りステンドグラスはガラスをカットする。なので少なからずこのデザインは作れない、という事態もうまれてくる。しかしどうしても作りたい・・・なんて葛藤は日常的だ。だから街で見かける作品から、そういった葛藤を読み取る事ができない場合は「もっと戦えよ〜」ってがっかりする。できることなら、「今ある技術でできるデザインを」ではなく、「こんなデザインがしたいから新たな技法を生み出す」そんなスタンスで臨みたいと思う。
デザインは常に時代を反映するもの。習得し終える事は決してない。ならば技術も同じ。習得し終える事はないということ。まずはデザインで世界や時代に追いつきたい。
デザインと技術のバランスは50/50。それが理想だと思う僕は、常にそんな葛藤と向い合いながら時代や環境に合った作品を作っていきたい。

GD5/Masaki Matsumoto